屋外で配線工事を行う際には、使用する配線ケーブルやそれを束ねる結束バンドが設置場所の様々な自然的要因によってダメージを受けることを頭に入れておくことが必要です。配線ケーブルは電気を通す役割を担っている物だけに、防水対策さえしていれば問題ないと考えている方も多いかもしれませんが、太陽光に含まれる紫外線は配線ケーブルを劣化させ破損を招く恐れがあり、それは結束バンドにも同じことが言えます。しかし、屋外の自然環境で配線ケーブルや結束バンドに悪影響を与えるのは紫外線や雨水だけではありません。塩害によっても大きなダメージを受けることになるのです。
塩害が発生すると植物はもちろんのこと建築物や構造物など多くの物に悪影響を及ぼして劣化させます。そして、それは配線ケーブルや結束バンドをも劣化させ破断させてしまう可能性があるのです。そのため、海からの風に乗って塩分が運ばれてくる沿岸地域や、塩害の原因にもなる塩化カルシウムが含まれている融雪剤を使うことが多い寒冷地域などは、屋外で配線工事を行う際には紫外線対策を施す以外にも塩害対策も徹底して行わなければならないのです。ただ、沿岸地域や寒冷地域だと言えないような地域でも、台風によって遠く離れた海から塩分が運ばれてきて電線が塩害の被害を受けた事例もあります。
ですから、屋外で配線工事を行う際に使用する配線ケーブルや結束バンドを選ぶ際には、それを使用する地域の自然環境をしっかりと把握したうえで適した素材の物を選ぶことが重要です。